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2018.11.13

エネルギー問題から考える家づくり
~なぜ今ゼロエネルギー住宅なのか~

屋根断熱材施工写真

先日、カドヤ建設が加盟する『新住宅』の勉強会がありましたが、テーマは『エネルギー問題から考える家づくり』でした。

今回はその内容を簡単にまとめて説明したいと思います。

現在政府では2030年までにCO2排出量80%削減の基本計画の元、住宅政策を進めています。

これは、今後も現在の様なエネルギーの使い方を進めると、地球の温暖化により、台風や集中豪雨等の自然災害の拡大、海面上昇による海岸侵食、生態系の変化や農作物の不作、日本での感染症の増加など、様々な環境変化が起こり得る為、歯止めをかけるために必要なことだと考えられているからです。

 

皆さんはZEH(ゼッチ)住宅と言う言葉を最近耳にすると思いますが、私共へのお客様からの問い合わせも増えています。

ZEH住宅とは太陽光発電やエネファームなどを利用した創エネにより一次エネルギー(自然から採取されたままの物質を源としたエネルギー)消費量の収支をゼロとした住宅を指します。

ちなみに、2020年に省エネ基準が義務化され、基準値(断熱等級4:東京23区では外皮平均熱貫流率U値0.87以下、北海道では0.46以下)以上の断熱性能を備えた住宅でなくては建てることが出来なくなります。この基準は、創エネ機能を加えればほぼZEHの断熱性能になりますが、実は、この基準でも先進国と言われる国々から比べると最低の基準になります。既に基準が義務化された韓国や中国などアジアの国々と比べても、日本はかなり見劣りするようで、基準を義務化したのも日本が最後の国となります。

 

 

 生活様式の異なる国々を一概に比較することは難しいとは思いますが、上の表は、熱欠損の大きい窓について、ヨーロッパの国々のサッシの断熱基準を列挙した物です。この中でUは『熱貫流率』という指標でU値とも言い、数字が小さいほど性能が高くなります。単位はW/㎡(平方メートル)・K(絶対温度)ですが、ヨーロッパの国々に対し日本のアルミサッシは、一般的なペアガラスでU値3.49W/㎡・K程度、性能の良いものでも2.33W/㎡・K程度となります。ただし、上の表は各々の国の最低基準で、実際に使用されているサッシは、さらに性能の良いものが使われている点に注目してください。

その先政府は、建設から廃棄までの生涯におけるCO2収支をマイナスとなる住宅『LCCM住宅』(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)を推進し、2030年までにCO2排出量80%削減を目指していくと考えられます。

 

さらに、CO2削減に関わる事象はこれだけではありません。

電気料金に関わる話ですが、大抵の方は電気料金=基本料金+電力使用料金との認識だと思います。

現在の電気料金=基本料金+電力使用料金+再エネ賦課金+託送費となります。

エネ賦課金とは、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」といい、再生可能エネルギーの普及促進を目的としています。創エネ業者に対する負担軽減と電気料金の国民負担を上げることにより、さらに国民に対し創エネを普及促進するために行っています。

又、託送費とは電気を送る際に電力会社が必ず利用しなければならない「送配電網の利用料金」のことです。政府は、2020年を目処に「発送電分離」を行い、電力会社は3つの会社、つまり「発電部門」・「送電配電部門」・「小売り部門」の3部門が各々別会社に分社化する予定です。発送電分離を行う目的は、各事業者の目的を明確に分け、発電会社や新規参入の事業者がより平等に送配電ネットワークを使えるようにすることで、さらなる電力自由化を推進する目的です。

さらに、現在の大規模発電所とその送配電網は、発電した電力を最終消費地へ届けるために一次エネルギー(石油・ガス・原子力)の約2/3を熱として未利用のまま捨ててしまっているという、エネルギー自給率8%のわが国にとって大問題があります。そこでコンピュータ制御により状況に応じたところへ電力を供給したり、無駄なエネルギー消費部分を削ぎ落とすことにより、効率化を図るいわゆるスマート化を推進することが求められています。現に、電気メーターのスマート化やガス・給水のスマート化が進められていて、先日起こった北海道でのブラックアウトなどは起こり難くなります。住宅についても最近CMでも紹介されていますが、将来はスマート化が進み必要の無い部屋は元より、必要の無い部屋の一部分についても自動的に照明やエアコンが点滅を行ったりすることが出来るようになり、スイッチ自体がなくなる可能性すらあります。

 

ここまでの話をまとめると、今後家を建てるにあたり何が必要なのか?

1.断熱性能の高い住宅を作る

 化石燃料、原発依存の主要電力会社から電気を買い続けることは、益々高くなる電気(石油が安くなれば元に戻ると言うことにはなりません)を使い続けることになりますので、如何に電力メーターを回さないようにするかを工夫することが必要で、断熱性の高い熱効率のよい住宅にしなければなりません。その為には熱欠損の多い窓について、日本ではアルミサッシペアガラスが標準ですが、世界基準では木製又は樹脂サッシトリプルガラスが標準となります(最近は樹脂は石油製品なので木製に移行)。近い将来日本でも木製サッシトリプルガラスが標準になると私は考えています。住宅の資産価値としても、断熱性能が評価の対象になることは目に見えていますし、少なくとも現時点で2020年基準をクリアーしなくては、2020年以降は建ててはいけない建築物ということを理解しなくてはなりません。

2.創エネを考える

 創エネというと一番最初に頭に浮かぶのが太陽光発電、次にエネファームと言うことになりますが、補助金があるとはいえまだまだ高額と言うイメージが強いと思います。そして、私共カドヤ建設が活動している東京等の都市部では、隣家や電信柱の影などの影響によって、本来の太陽光発電の発電能力が発揮できないケースがある為、中々普及しないと言う事情があります。したがって、東京ではZEH(ゼロエネルギー住宅)の実施は、現時点ではなかなか難しい状況です。しかしながら、最近の太陽光パネルは性能もアップし、導入金額も低額になってきています。売電価格が下ったとはいえ、平成23年頃の太陽光発電原価が31円程度に比べ、現在では17円程度まで下ってきていますので、売電が無くても10年程度で回収出来るレベルです。出来れば新築の時に設置すればベストですが、これから益々機械の性能がアップし採算性も向上すると思いますので、予算の関係で出来ないのであれば、将来的に設置できるように設備や屋根の形態等を考慮すべきだと思います。

3.蓄電池設備を考える

 現在、東京電力電気料金30.7円/kWh、売電価格26円/kWhですから、創エネで作り出した電気を安い売電価格で売却しては元も子もありません。作り出した電気は17円/kWhですから、自分の為に使うことが一番ですね。ここで登場するのが蓄電池です。蓄電池も普及が進んでいないので高額(12kWh2で100万程度)なものが多いのが現状ですが、電気自動車を利用する方法があります。昼間使用しない電気自動車の蓄電池に余分な電気を貯めて置き、夜の生活で利用したり、夜の安い電気貯めておく方法も考えられなくはありません。たとえばあるメーカーの電気自動車の中には、電池容量が24kWhの容量の物も有りますので、4人家族程度の家庭であれば普段通りの生活で丸2日分の電力量をカバーできます。実際に、災害等で停電になった場合には、節約しながら使えば、もっと長時間カバーできるはずです。したがって、現時点で設置できなくとも新築住宅の計画の中に電気自動車用給電装置や蓄電池用の設置スペース、そして配線の工夫をしておくことが大切だと思います。

以上3点が、今現在でこれから先の住宅に必要不可欠となってくる性能・設備であると言えるでしょう。

 皆様にとって住宅の新築や既築住宅のリノベーション工事を実施することは、大きな決断で有り、高価な買い物となります。将来にわたり快適な住いにする為、大切な資金を生かすための参考にしていただければ幸いです。

カドヤ建設では現時点で、断熱等級4及び耐震等級3且つ制震装置は標準装備で行っております。無料相談はいつでも受け付けておりますので、是非ご利用ください。

By Noguchi

 

 
 
 
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