BLOGBLOG

2022.02.15

今、何故木造建築が注目されているのでしょうか?

木造・鉄骨・鉄筋コンクリートどちらが一番?
お客様より良く聞かれる質問です。
実はどちらの構造も長所・短所・特色があり甲乙つけがたいというのが私の答えです。

最近、TVの報道番組や新聞・ネットニュース記事でよく見聞きするようになった『SDGs』という言葉ご存じでしょうか?

「世界中にある環境問題・差別・貧困・人権問題といった課題を、世界のみんなで2030年までに解決していこう」という計画・目標のことです。

SDGsの持続可能な目標の基本理念の一つ『環境を大切にする』ということがあります。

環境にやさく持続可能な工法としてはやはり木造なのです。

木を利用することで何故環境を大切にすることになるのでしょうか。

石炭や石油のような化石資源は、かつて地球の大気にCO2が多く存在し、気温も高温でリンボクのような古代植物が栄え、海中では古代生物が大量発生した時の名残です。これらの植物や生物が3億年(因みに恐竜の生存した期間は2億3千年~6千600年前、人類の誕生が4万年前)という途方もない時間を掛けて化石化、つまり石炭や石油、天然ガスになることによって大気のCO2濃度が下がり、そして気温も下がり、現在のような人類・やその他の生物が進化出来る温度環境になった訳です。化石燃料をこれからも利用し続けると地球温暖化が進み、現在の生物のほとんどが生存することが出来ない地球環境になり、最後には人類の存在さえ脅かすことになります。それを防ぐことは極力化石燃料を使用することを控えることはもちろんですが、今までの化石燃料から放出した炭素Cを固定化する必要があります。森林を増やせば良いのですが利用できる土地面積には限りがありますので、考えられる方法として建築の木造化となる訳です。都市部の中高層ビルは鉄筋コンクリート造や鉄骨造がほとんどですが、これらの中高層ビルを木造化することにより炭素を固定化し、都市の中に森林を発生させたことと同じ原理となります。又、手入れのなされていない森林や成熟した森林ではCO2の吸収能力が低下します。実は日本は世界有数の森林率を持つ森林国なのです。しかし、現在日本の林業は衰退し、手入れの行き届かない森林や老木の生えた森林が多数あります。林業を盛り返し、手入れの行き届いた森林にすることはもちろんのこと、老木を計画的に伐採しそれを建築資材に生かし、未来の為に新しい樹木に植え替えることが必要不可欠なのです。

 

 

木造は鉄筋コンクリート造や鉄骨造に比べ地震や火災に弱く耐久性に劣るのではと感じる方が多いと思います。

 

実際はどうなのでしょうか。

素材については確かに鉄筋コンクリートや鉄骨は燃え難く、木は燃えやすいのは事実です。しかし一見火に弱そうな木ですが大断面構造(150㎜×150㎜以上)になると一転します。鉄筋コンクリートは相変わらず火に強いですが、鉄骨と木は状況が違ってきます。

 

 

大断面木材の場合は表面が焦げて炭化層が出来、それが断熱材の役目をたし、木材自体の可燃性ガスの発生を防ぐと共に酸素の供給が絶たれるために燃えにくくなり、芯材部分が残り相当時間建物の維持が期待できます。反対に鉄は550℃を超えると必要耐力が維持できなくなりますので、場合によっては建物が維持できなくなります。これはあくまで素材の話ですので、実際は鉄骨の場合耐火建築にするには鉄骨の周りに耐火被覆を施しますし、木材の場合も耐火建築物にする場合は耐火被覆を施すか、構造耐力上求められる部材寸法に燃えシロの厚みを加えて耐火被覆代わりにします。ここでのポイントは木材自身の厚みを付加することで対応できる点です。いずれにしても現在の建築技術により鉄筋コンクリート造・鉄骨造・木造の何れでも同等の耐火性能を有する建物を建築することが可能になってきています。

最近、地方の体育館等の大規模木造建築物が建設されだしたのは、大断面木材が火災に強いことが実証され法的整備も整いつつあるからです。

 

構造耐力はどうでしょうか

この質問が一番多いのですが、答えは木造・鉄骨・鉄筋コンクリートとも変わりません。そもそも構造強度は建築基準法という法律に基づいて計算され、建築基準法で求められる強度を100とすれば、一般的な建物では通常100~120ぐらいの強度で設計いたします。強度を高める為には設計者に1.25倍とか1.5倍の強度にするよう依頼をする訳です。したがって、木造でも鉄骨でも鉄筋コンクリートでも設計によって強度が決まります。阪神淡路震災の頃、一部のマスメヂアの放送や鉄骨を採用している大手ハウスメーカーによる戦略の為、木造がいかにも地震に弱いという印象を与えることになりました。実際は住宅、特に耐震基準の低い古い家屋に木造が圧倒的に多いことが原因です。実際、東日本や阪神淡路の震災に対し昭和56年以降の比較的新しい木造住宅は大きなダメージは受けていません。逆に昭和56年以前に建築された建築物は木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造、どの構造であっても構造的なリスクがありますので耐震診断等で安全を確かめ、もし安全でないと判断されましたら耐震改修工事をお勧めいたします。

 

 

耐久性はどうでしょうか

歴史的に見ますと木造では法隆寺が築1300年以上の世界最古の木造建築物です。木造住宅でもフランスには築600年、イギリスには築500年の古民家が現存します。日本では兵庫県に築1200年の古民家が現存し、築200年以上の古民家に至っては分かっている範囲でも全国に350件ほどあります。鉄骨造についてはアメリカにルッカリーというビルが築約130年、鉄筋コンクリート造ではフランスのサン・ジャン教会の築約120年と鉄骨造・鉄筋コンクリート造とも歴史が浅いので判断に苦しむところですが、どの工法もメンテナンスを確実に行えば相当な期間使用できると考えられます。

 

 

ただし、メンテナンスのし易さ、歴史的に積み重ねられた技術やランニングコストを考えますと木造に軍配が上がるかもしれません。

現在、国や地方公共団体は建物の低炭素化に対し補助金等で誘導しCO2削減を推し進めると同時に、地域の林業活性化の為木造建築自体に補助金を出す仕組みも創設しております。地方では体育館等の大規模建築物を木造で作る事例が増えています。

カドヤ建設でも現在新しい木質構造部材であるCLTを使用した3階建ての共同住宅を建築中です。純CLT構造としては東京都内で初めての試みとなります。

 

 

CLT(Cross Laminated Timber)とは、ひき板を繊維方向が直交するように積層接着したパネルです

 

 

 

欧米を中心にマンションや商業施設などの壁や床として普及しており、我が国においても国産材CLTを活用した中高層建築物などの木造化による新たな木材需要の創出に期待されています。

特徴として、

・コンクリートの養生期間が不要のため、短時間で施工が出来る。

・建物の重量が軽くなり、基礎工事の簡素化ができる。

・同じ厚さで比較すると、CLT(木材)はコンクリートより断熱性が高い。

 

 

このように今後、CLTや木造ラーメン構造を採用した高層建築物が建ちあがるケースが増えていくことを確信しております。

上記CLTを採用した共同住宅は、本年3月末に完成予定です。昨年構造内覧会を行いましたが、4月には完成内覧会を行う予定です。

詳細が決まりましたらホームページやチラシ等でお知らせいたしますので、ご興味のある方は是非ご内覧ください。

お待ち申し上げております。

BY Noguchi

 

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